脳への働き

近年ではレスベラトロールやその誘導体が脳機能に働くことがわかり始めており、アルツハイマーの予防と抑制への効果が期待されています。

アルツハイマー予防は社会の課題

アルツハイマーとは、脳の神経細胞が急速に減ることで正常な働きを徐々に失い、認知機能に障害をきたす病気です。加齢とともに発症率が高まり、超高齢社会に突入したといわれる日本では、アルツハイマーの予防が重要な課題になっています。

高齢者イメージ

脳神経を保護する

脳神経イメージレスベラトロールは神経様細胞の酸化ストレスを軽減します。また、神経細胞の生存やシグナル伝達などの働きの活性化を促します。

アルツハイマー病で脳細胞に蓄積する異常物質を抑制する

神経の発達などに関わっている酵素を活性化し、アルツハイマー病になると脳細胞に蓄積される異常タンパク質(アミロイドβ)の産生を抑制します。

記憶の保管庫「海馬」の機能の改善や再生

記憶中枢の中にあり、記憶をつかさどる海馬の神経細胞機能の改善や再生を促します。近年、そのメカニズムも解明されています。[図1]

レスベラトロールが海馬の神経細胞を活性化・再生させるメカニズム

図:海馬の再生メカニズム
  1. 1.レスベラトロールが胃を刺激する
  2. 2.知覚神経を刺激する
  3. 3.海馬の神経細胞を再生させ、認知機能を向上させる物質(インスリン様 成長因子-I(IGF-I))増加
  4. 4.神経細胞が活性化、再生
  5. 5.認知機能が改善する

イタリア・ミラノ大学研究チームが発表ワインのレスベラトロールが認知症を改善する可能性

グラフ:ワインのレスベラトロール認知症

適量のワイン飲酒(1日125〜500ml)で、記憶力を回復したり、アルツハイマー病などにかかりにくくなる可能性があることを、ミラノ大学の研究チームが発表しました。[表1]

この原因はワインのレスベラトロールで、人の神経細胞に与えたところ、細胞同士を結びつける触手状のものが伸びるのをミラノ大学研究チームが発表しました。

研究チームは、レスベラトロールが、脳の細胞同士を結びつけ、記憶力を高めることにつながると考えています。