フランス人は喫煙率が高く、バター・肉などの摂取量が多いのに、近隣諸国と比べ心疾患による死亡率が低いという、矛盾した統計データがあります。これは、フランス人が赤ワインを多く飲むためと言われ、「フレンチパラドックス=フランスの逆説」と呼ばれています。
最近の研究により、フレンチパラドックスの原因のキー成分は、赤ワインに含まれるレスベラトロールだと言われています。
こうした健康効果はなぜ生じるのでしょうか。秘密は老化を遅らせ、寿命を延ばすといわれる遺伝子、サーチュインにありました。サーチュインの活性化によって、広い意味でアンチエイジング効果を期待できます。
では、サーチュインはどのような条件で活性化するのでしょうか。キーワードは「腹八分目」です。「腹八分目」は体に良いと言われますが、それは「腹八分目」で、サーチュイン遺伝子を活性化することができる為です。「腹八分目」の状態は、言い換えれば適度な「カロリー制限」と同じです。食料摂取量が少なくなると体を維持しようとする本能が、サーチュインを活性化させるのです。[図1]
レスベラトロールのユニークな機能は、カロリー制限をすることなく、サーチュインを活性化させ、抗老化、抗メタボリックシンドロームの効果を発揮するという優れた点にあります。[図2]
腹八分目の食事が、なぜ健康にいいのか…その科学的検証が、世界中で行なわれてきました。例えば、人間に近いサルを対象にしたアメリカの試験結果では、30%のカロリー制限(腹七部目)によって、体脂肪、血圧、血糖値、中性脂肪値等が改善されたことが報告されています。
腹八分目、一定のカロリー制限によって、細胞の老化を遅らせることができることが確認され、生活習慣病の予防に腹八分目の効用が言われるようになっています。
レスベラトロールは1992年にワインに含まれることが報告されて以来、毎年研究発表が非常に盛んです。権威ある有名な学術誌、NATURE誌やSCIENCE誌にもたびたび研究発表が掲載されています。
特に2006年にNATURE誌掲載の実験(詳細)において、食べ過ぎに伴う老化や病気を防ぐことが確認されて以来、非常に注目されています。